有端の娘、アオイを名乗る女。父親のこの4つの建物を遺された。普段は都会でくらしていて、管理は父親の友人常葉に任せているが、ここで暮らす決意をし大樹を連れてやってきた。父の想いの残るこの家を手放せずにいて、勝手に処分をしていた常葉と強く対立する。
葵の友人であり、恋人のつもりであるが、その思いが一方通行であることが殆どで、召使い程度の扱いを受けていることもしばしば。何かにつけて攻撃的になる葵をなだめる役目。気弱な性格ではあるが、葵の為であれば相手に噛みつく事もある。
有端の娘、アオイを名乗る女。父の遺言でこの4つの建物を遺された。その他の財産に関しては一切の分与がなかったため不満に思っていたが、「本物は一つ、あとは偽物」という言葉を思い出し、建物のどこかに遺産があると確信する。
有端の娘、アオイを名乗る女。この家へ向かう途中、後ろから猛スピードで走ってきた車に撥ねられる。即死ではなかったものの、致命傷を負う。が、その後、何事もなかったかのように家にたどり着く。性格は茫洋としていて、浮世離れしている。
有端の友人で、アオイに代わって建物の管理を任されている。地下室に有端の遺産が隠されている事を知り、建物の権利ごと強奪してしまう。後にそれに気づいたアオイに責められた為、手に掛けてしまうが、その後、「アオイ」を名乗る3人の女が現れる。
常葉の妻。取りつかれたようにこの家に執着する夫に不気味さを感じ、その原因が建物にあるとして勝手に売却を目論む。夫婦関係は破綻していて、隣を所有する松葉と不倫をしていて、内心、松葉の手によって夫が害されればいいとも思っている。
常葉から別荘として建物の一つを買い上げる。常葉が隠している有端の遺産の秘密をしっており、それに近づくために啓枝と親しい関係になる。ここを訪れる途中、車で女を撥ねてしまい、逃げるようにやってきたが、そこには先程撥ねた女が無傷で生きていた。
有端アオイの知人。この場所を訪れたアオイがその後行方不明になった事から、事実関係を調べた結果、常葉が関係していると知り復讐を誓う。松葉が偶然、常葉の隣人であったことから、この別荘に潜み、チャンスをうかがう事になる。
多額の借金を負った事から人生を悲観し、妻とともに心中を試みる為に山に入った。目に入ったのは人の住んでいる気配のない4つの建物。そこへ入り込み首をつろうとした瞬間、有端蒼と名乗る女に出遭い、とっさに、ここの管理人であると嘘をついてしまう。
夫につき合わされ心中をするためにここまでやってきたが、当人は夫ほど人生を悲観してはいない楽天家。強引なまでに嘘に嘘を重ねる夫にヒヤヒヤさせられ、呆れながらも、幸せな人生を強く求める夫の暴走の尻拭いをしていく。
緑の屋根の家で暮らす5人の1人。理屈よりも直感で動き、進んで面倒事に巻き込まれていくタイプだが、状況判断力が鈍く、ただただ振り回される事が多い。困っている人がいると放っておけないおせっかいな熱血漢でもある。
緑の屋根の家で暮らす5人の1人。夢や希望よりも、目先の利を見る事に長けたリアリスト。惚れっぽい性格ではあり、見込んだ人間の為なら、長く時を過ごした仲間でさえも蹴落として尽くしてやろうとする面がある。勝負に負ける事と、ウサゴロウが嫌い。
緑の屋根の家で暮らす5人の1人。共同生活中、唯一の女性でありながら誰も自分に異性的な興味を示さない事に敗北感を感じている。5人での暮らしが心地良く、この時間が永遠に続けばいいと思っていたが、そのバランスが崩れた事で、やがて彼女の中でも何かが崩れていく。
緑の屋根の家で暮らす5人の1人。自分たちが何の為にここで暮らしているのかを常に考え続けていて、その結果、人間の持つ悪意というものに強い興味を覚えはじめる。その行動原理は必ずしも自己の利ではないが、時に他人の悪意に足を掬われる事がある。
緑の屋根の家で暮らす5人の1人。自他共に認める共同生活の向いてない男。他人に厳しく自分にとことん甘い事から、周囲からは疎まれ、「ウザゴロウ」と呼ばれている。仲間内には強気で、立場が上の人間には下手に出る性格。時折、小賢しい知恵を働かせる。