下北盤【1】
下北盤【2】 臼居「しかし、見事なものですね。本物…なんですかね。これって」 流川「幾らぐらいするものなんだろうな」 奥羽「触らない方がいいんじゃ?傷でもつけたらどうするんです」
下北盤【3】 門倉「根原さん、緊張していますか?」 根原「そりゃ当然ですよ。責任重大なんですから。僕に…ジェナーなんて」 門倉「大丈夫。アナタが後半のびのびと出来るように、私が前半、ガンバリマス」
下北盤【4】 伊豆井「待て待て」 ―江利の腕を掴む。 伊豆井「…遅かったか。とりあえず、戻しなさい」 江利「痛いですって。…わかりましたから。手を離してください」
下北盤【5】 江利「ちょっと、何ですか。不気味なんですけど。近いですよ!私、囲まれてる?」
下北盤【6】 江利「…あの、…私、見てました。言いにくいですけど…城戸さんが」 ―江利、指をさす。 奥羽「城戸さんが?」 江利「見てたんですよ、私。戻しましょう」 ―城戸を追いかける。 根原「…あちゃぁ。…ゴールに辿り着かれました」 城戸「別に盗んだわけじゃないわ。本物ならちょっと近くで見てみたかっただけ」 門倉「あ、そうか。指、さされた」
下北盤【7】 流川「自分の意思とは無関係の「命令」で生きてかなきゃならない、そういう存在だ。ゲームはもう始まるんだぞ。何度説明させるんだよ。」 加納「流川さん、そういうアナタだって。2週間前まではこんな感じでしたよ」
下北盤【8】 奥羽「人間は自分の意思だけで生きていると思いこんでいるだけで。実際はそれ 以外のものにも、少なからず生かされているという事です。よね」 城戸「さすが。経験者は言葉の重みが違いますね」 奥羽「やめてください。アナタが言うと、皮肉にしか聞こえない」
下北盤【9】 門倉「そう。アナタが何もしてなくても、人よりたくさん汗が出るのもそれです」 伊豆井「…それは、私の体質で。迷惑ですか?どうか放っておいてもらえませんか」 根原「アナタの身体が丸みを帯びているのもきっとそれです」 伊豆井「…それは…別に意思どうこうの問題じゃないと思うんですが」
下北盤【10】 臼居「でも思うんですよ。私だけじゃなく、誰しもが、「命令」どおりに動いて日々を送っているに過ぎないんじゃないかと」
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撮影者:荒多恵子 ※この画像の著作権は団体並びに撮影者に帰属します。