Paradisoの世界 of #025 PerformenVI~Paradiso~

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Paradiso(楽園)の構成

主人公「カレ」は仕立屋の娘「アルテ」もしくは占星術師の娘「ステラ」と共に、世界の仕組みを知るため、Paradisoの果てを目指す。
Paradisoは煉獄山の頂上を中心に広がる同心円状の宇宙で、中心から6つの天+αで構成されている。
アルテとステラ、どちらと共に旅をするかによって、途中のルートが分岐する。



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◆火焔の【技法】
とある占星術師はその貴族の命が7日ともたないと星を読んだ。
貴族は運命を恨むでもなく、お気に入りの時計職人に創らせた、まるで人間のように律動する人形を眺めては満足そうにしている。彼には目算がある。
運命など、どうにでも操れるのではないか。それを肯定するかのように時計職人は言う。
「神などいない」。と。
貴族は思いついたように、こう提案した。
「会いに行こう」。
神をもないがしろにしたこの思い上がりに、審問官の裁きが迫る。


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◆階の【律動】
かつて「セガレ」と呼ばれていた彼は、自分がただ生かされているだけの存在だという事に疑問をもち、地獄の穴を覗き、煉獄の山へ登り、この世界の真理を求めた。
しかしそれは自覚を持った人形の神に対する大きな罪。彼は胸に罪の刻印を押され、今はその痛みを忘れ再び自分を人形の一人として画一化した社会に身を置いている。
ある雨の日、都会の真ん中で天を仰ぐ二人の女と出逢った。二人の母親はそれぞれ、意図せず「楽園」を目指しているという。発端はとある時計職人の言葉だった。
「寸法を測り、歯車の回転に従っていればそれが人間のすべてだ」
楽園のその果てに運命を握る存在がいるのだろうか。再び胸の刻印が疼きだした。
カレは自らの存在意義に決着をつける為、彼女らと共に、Paradisoの高みへ昇っていく。


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◆第一天 《Cordman【配線】》 
(アルテ編)
人間の中に敷かれた高度な配線が間違っていたり、勝手に外の世界へと繋がっていたらどうなるか。
身体の自由意思を奪われた駅員・玉木とその周りの人間が巻き起こす、体内の配線が他人と無造作に繋がる事も良しとする人間達の楽園。

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◆第一天 《Cordman【配線】》 
(ステラ編)
人間の中に敷かれた高度な配線が間違っていたり、勝手に外の世界へと繋がっていたらどうなるか。
身体の自由意思を奪われたCA・夏木とその周りの人間が巻き起こす体内の配線が他人と無造作に繋がる事も良しとする人間達の楽園。

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◆メーゼの【月面】
地上を離れ、カレらが辿りついた月で、アルテとステラ、それぞれの母親の失踪の手掛かりを知る画家と天文学者に出会う。
二人の母親はある貴族の思いつきに翻弄されているという。
先を急ごうとするその前に繰り広げられる、溜息が出るほど情緒不安定な月の旅人との理不尽な論理問題。


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◆第二天 《Watchman【吹替】》 
(アルテ編)
言葉の聞こえないサイレントの世界で、勝手に物語を創造するもの達の楽園。ホームレス界の重鎮にして別名「宇宙のモズク」、ノゾキ屋トリメさんがついに壮絶な最期を迎えるか。

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◆第二天 《Watchman【吹替】》 
(ステラ編)
言葉の聞こえないサイレントの世界で、勝手に物語を創造するもの達の楽園。ホームレス界の重鎮にして別名「宇宙のモズク」、ノゾキ屋トリメさんに若い刺客たちが勝負を挑む。ノゾキ屋の世代交代が迫る。

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◆アクィナスの【太陽】
遥か昔より、どの宗教においても太陽は信仰の対象であった。
唯一の「創造主」を信じない異教徒達も、審問官の目を盗みここを目指してやってくる。
太陽の光が時に真実への直視を妨げる。
激しい光量の中、彼女たちは母親の影を見る。
それは或いは残像であったかもしれない。


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◆第三天 《Editman【編集】》 
(アルテ編)
時間は連続性を持っているものである。
もし、それが誰かの編集のハサミによって恣意的な繋げられ方をされていたら。唐突な時間の流れを感じる者とそれを創りだす達の楽園。

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◆第三天 《Layerman【多層】》
(ステラ編)
複数の状況がまるで薄紙の様に何層も重なりあって、一枚の新しい画があらわれる。その中で翻弄されるのは、その違和感に気付いてしまった哀れな者である

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◆第四天 《Throwman【廃棄】》 
(アルテ編)
言葉も動作も、生まれながらに決まった数与えられた業であり、本来消費されるべきものである。一早くそれらを削ぎ落とさなければならない。それもコミュニケーションを成立させつつ。

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◆第四天 《Fitman【挿入】》
(ステラ編)
無意識に発せられる言葉は無責任なものである。
発言に制約を加えることで、自分の発した言葉に最初から最後まで責任が生まれる。そして却って歪みも生じる。

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◆ネヴラーレの【恒星】
地上より遥か離れたこの場所には十二の星座が広がる。
そこには人間の原風景に近い農村があった。
意思をなくし、考えをやめて農業に従事する村人たちに感化され、カレもまた思考をやめてしまいかける。それを救ったのは、カレに恋するうら若き娘であった。


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◆第五天 《Delayman【遅延】》 
(アルテ編)
時の流れは等しく皆平等であるのに感じ方は人それぞれ違う。
人とは全く違う時間が流れる女・小暮チエコが巻き起こす、周囲への大迷惑。

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◆第五天 《Tabooman【禁句】》
(ステラ編)
もし、普段頻繁に使う言動が禁止されたら、その代わりとして、どんな手段を使うべきか。それで完全なコミュニケーションが保たれるのか。代替手段を義務付けられた者達の楽園。

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◆モトレの【福音】
世界の至高が目前に迫る。ここまで来て、とうとう進むべき道を見失ってしまった。
進むのが無理でも、ここからであれば、もしかしたら「その存在」に届くかもしれない。
小さな人間の声では無理かもしれないが、ここに立ち並ぶ天使を模した福音装置を駆使すれば或いは。


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第六天 《Flagman【条件】》
「主」は主張を曲げない。
物事の連鎖と因果によって、意思を持たずに動く事が人間のあるべき姿。
各々に簡単なプログラムを施す事で、人間は勝手に動き、未来永劫にわたって「営み」らしき真似事をするのだ。それこそが「Performen」だと。そしてこの男もまた。


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◆エンピレオの【薔薇】
かつてダンテが到達した至高には純白の白い薔薇があり、彼はそこですべてを包みこむ「神の愛」を見たそうである。
しかし、カレはそんな生ぬるい結論を求めてはいない。
今よりずっと子供の頃より、考えては忘れを繰り返した答えの出ない思考がある。
「自分達の運命を握る何かとは何か」
「そもそも、そんなもの存在するのか。」
カレは世界の果てにおかれた玉座に辿りつく。さあ、答えてほしい。
この世に要るのは神か、人か―。


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