【11】
染谷「通訳なしで、円滑に仕事できますか?」
鶴田「染谷さん。相澤さんも。実際、どうなんですか?お宅の通訳さん達。もちろん能力的な意味で」
染谷「聞き捨てなりませんねぇ。彼らの能力に問題がありますか?」
【12】
長尾「ではどうです?染谷班か相澤班。どちらか一方だけ、引き下がって頂くってのは。人を減らさなければならないのは事実なんですから」
【13】
鶴田「ここ最近、諸外国との会談の内容が、外に流出している疑いがありまして。記憶に新しいところでは、先月。非公開であるはずのロシア産業エネルギー省との協議の内容が全て、マスコミに流れた」
【14】
相澤「染谷。大丈夫だろうなそっち。内容流してる奴なんていないよな」
染谷「こっちを疑ってんのか?俺は寧ろ、そっちにいると踏んでいる」
相澤「もし、そんなのが事実だとしたら、どちらの班も残れないぞ」
【15】
相澤「これは。例の流出した会議内容のデータか?…お前達…まさか!」
小松「誤解しないでください。言いにくいですが。水野が持っていました」
【16】
小松「相澤さん。こいつら、この件を追ってるんじゃないですか?」
笠原「何で、ここに?」
小松「決まってるだろ。長尾さんが、…これに関わってるって事でしょ」
【17】
相澤「長尾さん、アナタ…、…旅行先のホテルで」
長尾「彼らが。何を喋ってるのかよくわかりませんね」
笠原「長尾さん?…何を言ってるんですか」
長尾「どうも、ところどころ、妙な言葉を使う」
【18】
長尾「ダエマ」
笠原「あの。相澤さん」
相澤「耳がおかしいな。長尾さんが何を言ってるのか聞こえなくなる」
【19】
鶴田「どうも初めまして。私はテレチです」
松縄「…てれちさん。…失礼ですが『てれち』…とはどういう字を当てるのですか?照れるという字に、地面の地でよろしいでしょうか」
鶴田「いえいえ。照地ではないです。テレチです」
【20】
船山「こちらに、長尾泰正さんという職員がいらっしゃいますね」
小松「……目の前にいるじゃねぇか」
長尾「なかなか、日本語、上手、ですね」
船山「それはどういう意味ですか」
長尾「ウイ、セニアヌ サェ アマッティマナドセキリ」